FIP 症状チェックリスト:ウェット型とドライ型の見分け方
- curefip.com
- 6月20日
- 読了時間: 9分
キーポイント: 猫伝染性腹膜炎(FIP)の症状は、お腹や胸に体液がたまる「ウェット型」と、体液貯留を伴わない「ドライ型」に大きく分かれ、さらに眼型・神経型を加えた4つの型として現れます。最も分かりやすい初期サインは、解熱剤に反応しない持続的な発熱、食欲低下、元気消失、そして体重減少です。FIPは早期に発見し、獣医師の管理下でGS-441524による治療を始めるほど経過が良好になる傾向があるため、症状を体系的に把握することが何より重要です。

FIPは進行が速い病気です。だからこそ「気になるサインを正しく言語化できること」が、動物病院での診断と治療開始を早めます。この記事では、CureFIPが4つの型ごとに症状チェックリストを整理し、それぞれがどの投与プロトコルに対応するのかまで一貫してお伝えします。
FIPとは何ですか?
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫腸コロナウイルスが猫の体内で変異し、全身の血管や臓器に炎症を起こす重篤な病気です。多くの猫が無害な腸コロナウイルスを保有していますが、その一部が変異してFIPを引き起こします。発症すると、お腹や胸への体液貯留、臓器の機能低下、目や神経の異常など、型によって異なる症状が現れます。
FIPはかつて極めて予後の悪い病気とされてきましたが、GS-441524という抗ウイルス成分の登場で状況は大きく変わりました。CureFIPのネットワークでは2019年以降、100,000頭以上の猫が治療を受けています。GS-441524の単剤注射療法については、UC Davis(Pedersen, 2019 / PMC6435921)が92%の成功率を報告しています。
猫のFIP初期症状にはどんなものがありますか?
FIPの初期症状で最も多いのは、抗生剤や解熱剤に反応しない持続的または波のある発熱、食欲の低下、活動量の減少、そして体重減少です。これらは型を問わず共通して現れやすい全身サインで、見逃すと急速に進行します。
以下は、型を問わず注意したい初期のチェックリストです。
数日以上続く発熱、または上がったり下がったりを繰り返す発熱
食欲が落ちている、好きだったものを食べない
遊ばなくなった、寝てばかりいる
体重が徐々に減っている
被毛のつやがなくなり、毛づくろいをしなくなった
子猫や若齢猫(多くは生後数か月から2歳前後)での発症
これらのうち複数が当てはまる場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。確定診断には血液検査や画像検査、体液の分析が必要であり、自己判断では型を特定できません。
FIPには何種類の型がありますか?
FIPはウェット型、ドライ型、眼型、神経型の4つの型として現れます。これらは別々の病気ではなく、同じFIPが体のどこに強く症状を出すかの違いであり、1頭の猫が複数の型の特徴を併せ持つこともあります。型によって典型的な症状と、GS-441524注射の体重あたり投与量が変わるため、ここからは4つの型を個別に見ていきます。
ウェット型(滲出型)の症状
ウェット型FIPの最大の特徴は、お腹や胸に体液(滲出液)がたまることです。お腹がふくらんで見える、呼吸が速い・苦しそう、横になりたがるといったサインが代表的です。
チェックリスト:
お腹が左右対称にふくらんでいる(腹水)
呼吸が速い、浅い、口を開けて呼吸する(胸水)
元気がなく、横たわっている時間が長い
発熱と食欲不振を伴う
体重は減っているのにお腹だけ大きく見える
ウェット型は進行が比較的速く、体液貯留が呼吸を妨げることがあるため、早期の受診が特に重要です。CureFIP™ GS-441524 Injectable の投与量は、ウェット型で6 mg/kgが基準です(投与量・スケジュールは必ず獣医師が決定します)。
ドライ型(非滲出型)の症状
ドライ型FIPは体液貯留を伴わず、臓器の中に炎症の塊(肉芽腫)ができるため、症状が分かりにくく、ゆっくり進むのが特徴です。発熱や体重減少が続くのに原因が特定できない、というかたちで気づかれることが多い型です。
チェックリスト:
原因不明の発熱が長く続く
じわじわとした体重減少と食欲低下
元気がない状態が慢性的に続く
黄疸(歯ぐきや白目が黄色っぽい)が出ることがある
触診でお腹のしこりや臓器の腫れが見つかることがある
ドライ型はお腹のふくらみがないぶん見逃されやすく、診断に時間がかかることがあります。CureFIP™ GS-441524 Injectable の投与量は、ドライ型で8 mg/kgが基準です。
眼型の症状
眼型FIPは、目に炎症が現れる型です。目の色が変わって見える、瞳孔の左右差、目の中の出血や濁りなど、見た目の変化で気づかれることが多いのが特徴です。
チェックリスト:
虹彩(目の色のついた部分)の色が変わる
瞳孔の大きさが左右で違う
目の中が濁る、出血が見える
視力が落ちているように見える(物にぶつかる)
目をまぶしそうにする、充血している
眼型は神経症状と併発することもあるため、目の変化に気づいたら早めの受診が必要です。CureFIP™ GS-441524 Injectable の投与量は、眼型で10 mg/kgが基準です。
神経型の症状
神経型FIPは、脳や脊髄に炎症が及ぶ型で、ふらつき、けいれん、行動の変化など神経の症状が現れます。GS-441524がしっかり脳に届く必要があるため、4つの型の中でも投与量が高めに設定される型です。
チェックリスト:
歩き方がふらつく、まっすぐ歩けない
けいれん発作
後ろ足の麻痺や力が入らない
性格や行動の変化、ぼんやりする
眼振(目が小刻みに揺れる)、首が傾く
神経症状はFIPの中でも特に注意が必要なサインです。CureFIP™ GS-441524 Injectable の投与量は、神経型で10 mg/kgが基準です。
ウェット型とドライ型の違いは何ですか?
ウェット型とドライ型の最大の違いは、体液貯留の有無です。ウェット型はお腹や胸に滲出液がたまって進行が速く外見の変化が分かりやすい一方、ドライ型は体液貯留がなく臓器内の炎症がゆっくり進むため発見が遅れやすい型です。
下の表に、4つの型の特徴とGS-441524注射の体重あたり投与量の基準を整理しました。投与量はすべてカタログ記載の基準値であり、最終的な処方は必ず獣医師が決定します。
型
主な特徴
代表的なサイン
GS-441524注射の基準量
ウェット型
体液貯留あり、進行が速い
お腹のふくらみ、呼吸困難
6 mg/kg
ドライ型
体液貯留なし、ゆっくり進行
慢性的な発熱、体重減少
8 mg/kg
眼型
目の炎症
虹彩の変色、瞳孔の左右差
10 mg/kg
神経型
脳・脊髄の炎症
ふらつき、けいれん
10 mg/kg
1頭の猫がウェット型から始まり、後にドライ型や神経型の特徴を見せることもあります。型は固定的なものではなく、経過の中で変化しうると理解しておくと、症状の変化に早く気づけます。
FIPかもしれないと思ったら何をすべきですか?
FIPが疑われるときは、できるだけ早く動物病院を受診し、血液検査・画像検査・体液分析などで診断を受けることが最優先です。FIPは進行が速いため、観察に時間をかけすぎず、専門的な検査につなげることが治療成功への第一歩になります。
受診前にできる準備:
いつから、どんな症状が出ているかを時系列でメモする
発熱があれば測れた範囲の体温を記録する
体重の変化を記録する(前回の体重が分かれば比較する)
お腹のふくらみや呼吸の様子をスマートフォンで動画に撮る
食欲・排泄・活動量の変化をメモする
こうした記録は、獣医師が型を判断し、適切な検査と治療計画を立てるうえで大きな助けになります。
FIPはどのように治療しますか?
FIPの治療の中心は、抗ウイルス成分GS-441524です。CureFIPでは標準的な治療期間として84日間(12週間)のプロトコルを、獣医師の管理下で実施します。GS-441524の単剤注射療法については、UC Davis(Pedersen, 2019 / PMC6435921)が92%の成功率を報告しています。
注射製剤には濃度の異なる3種類があります。
製品名
濃度
価格
CureFIP™ GS-441524 Injectable 20mg/ml
20 mg/ml
€79.00
CureFIP™ GS-441524 Injectable 30mg/ml
30 mg/ml
€89.00
Cure FIP Antiviral 40mg/ml
40 mg/ml
€119.00
いずれも1日1回の皮下注射を週7日、12週間(84日間)継続します。型ごとの体重あたり投与量(ウェット6 mg/kg、ドライ8 mg/kg、眼型10 mg/kg、神経型10 mg/kg)を基準に、最終的な量は獣医師が体重に合わせて決定します。
経口での選択肢として、CURE FIP™ Dual Antiviral Oral Capsules(€179.00)もあります。これはGS-441524とEIDD-1931を組み合わせた経口カプセルで、体重帯ごとに用量が設定されています(<2.5 kg: GS-441524 25 mg + EIDD-1931 5 mg、2.5-5 kg: GS-441524 35 mg + EIDD-1931 8 mg、>5 kg: GS-441524 50 mg + EIDD-1931 12 mg)。1日1カプセルを毎日、推奨期間は12週間です。なお経口の二剤併用はウェット型・ドライ型向けに位置づけられており、眼型・神経型の兆候がある場合や、猫が食べられない・排便できない状態では推奨されない地域があります。二剤併用療法の成績については、Li and Cheah 2025が78.3%の寛解率を報告しています。
どの製品・どの投与量・どの型かは、必ず獣医師の診断に基づいて決めてください。CureFIPは、データが示すことと示さないことの両方について、明確にお伝えする方針です。
まとめ:症状を見分けて、早く動く
FIPはウェット型、ドライ型、眼型、神経型の4つの型として現れ、共通する初期サインは持続的な発熱・食欲低下・元気消失・体重減少です。ウェット型は体液貯留で気づきやすく、ドライ型は見逃されやすい。だからこそチェックリストで全身を観察し、少しでも疑いがあれば早く動物病院へ向かうことが、84日間のプロトコルを良い形でスタートさせる鍵になります。
FAQ
FIPの一番早く出る症状は何ですか?
FIPで最も早く現れやすいのは、解熱剤や抗生剤に反応しない持続的または波のある発熱、食欲低下、元気消失、そして体重減少です。これらは型を問わず共通する全身サインで、複数当てはまる場合は早めに動物病院を受診してください。
ウェット型とドライ型はどちらが重いですか?
どちらが重いかは一概に言えませんが、ウェット型はお腹や胸への体液貯留により進行が速く呼吸を妨げることがある一方、ドライ型は症状が分かりにくく発見が遅れやすいという難しさがあります。どちらの型もGS-441524による治療の対象で、型に応じて投与量が変わります(ウェット6 mg/kg、ドライ8 mg/kg)。
FIPの治療期間はどのくらいですか?
CureFIPの標準的な治療期間は84日間(12週間)で、GS-441524の注射を1日1回、週7日継続します。経過の評価と用量の決定は、すべて獣医師の管理下で行います。
GS-441524の成功率はどのくらいですか?
GS-441524の単剤注射療法については、UC Davis(Pedersen, 2019 / PMC6435921)が92%の成功率を報告しています。GS-441524とEIDD-1931を組み合わせた二剤併用療法については、Li and Cheah 2025が78.3%の寛解率を報告しています。これらは別々のプロトコルの数値であり、混ぜて考えることはできません。
神経型FIPでも治療できますか?
神経型FIPも治療の対象です。脳や脊髄にGS-441524を十分届ける必要があるため投与量は高めの10 mg/kgが基準となり、注射製剤が用いられます。神経症状(ふらつき、けいれんなど)に気づいたら、速やかに獣医師に相談してください。




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